科学日記

2014年05月14日

山崎パン=食品添加物は大変危険|あなたの健康を害する5つの知識 http://macrobiotic-daisuki.jp/yamazakipan-tenkabutsu-2-2785.html


Twitterで流れてきたので、記事を見てみると、化学物質の名前とか化学反応をずらずらと並べていて、いかにもそれらしいことを言っているので、そのまま山崎パンはヤバいんだ、みたいに思わされるけど、これ、ちょっと科学リテラシーがあれば記事の内容に何の説得力もないことが分かる。

確かに臭素酸カリウムはそれ単体では一定量を摂取するとヤバいんだけど、山崎パンはちゃんと残留がないようにしているんですよね。
こういうのは、ヤバい物質が使われているだけじゃなくて、その物質がどれくらいの量だとどういったリスクがあって、実際に入っている物質の量はこれだけだからヤバいんだよ、というところまで示さないとどこがどうヤバいのか全く分からない。

これは放射能とか口蹄疫とかダイオキシンとか、そういう時と同じで、例えば放射能もどの程度の放射線量だとどういったリスクがあって、実際の放射線量はこのくらいだからヤバいですというのを示さないといけない。

で、この記事は肝心のそういったところが全く示されていなくて、この物質が使われていて、こうこうこういうメカニズムでヤバいんすよ、という感じで、カビたパンとカビてないパンの写真とかを巧妙に使って危機を煽ってたりするわけです。
やっぱり全然カビないと言われると、感情的になんかヤバそうという風に思うわけですね。
実際にカビたパンとカビてないパンのどっち食べますか?って聞かれたら、絶対カビてないパンを食べると思うけど。笑

とにかく、カビてないのは、おかしい、ヤバいって感情的に思うわけです。

で、今日は山崎パンはヤバいのかヤバくないのか、とか食品添加物についての是非を問うわけではなくて、どうやってこういった釣り記事に騙されないようにするのか?という一つの指針を示したいと思います。

東日本大震災の時にTwitterでデマ記事がたくさん流れて来たんですけど、そのときに勉強したことの一つが、「感情は真偽の判断に全く役に立たないどころか、むしろ邪魔だ」ということです。

例えば、今回の記事はカビてないパンとカビたパンを見て「ヤバそう」という感情を抱いて、ほぼ無条件にヤバいと思ってしまうわけですが、先に挙げたことを示さないと何の証拠にもなっていないわけです。


実際には添加物が入っていることによって、食中毒リスクをかなり抑えられるわけですから、添加物によって救われた命の方が遥かに多いはずなんですね。
ちょっと前にユッケの食中毒が問題になって、規制されちゃったでしょ。食中毒って時には死に至る大きなリスクの一つだから、添加物でちょっと体に良くないかもしれないというリスクよりも便益の方が遥かに大きいんですよ。

で、山崎パンにヤバい化学物質が使われてるというのは、それだけではヤバさを訴求するには根拠としてかなり不十分で、バナナにだって放射性カリウムが入ってるんだけど、それを聞いてバナナヤバいとはならないでしょ?この記事って、山崎パンの営業妨害にならないんですかね?

ただもちろん、添加物がたくさん入っているものをガンガン摂取した方がいいというわけではないです。
要はバランスが大切なんですよね。

ある情報の真偽を判断するときのコツは、感情は排除して、自分の頭で考えて自己責任で判断するということです。

僕のこの記事を信じて鵜呑みにするかどうかも自己責任でお願いします。笑



    このエントリーをはてなブックマークに追加
investor46 at 09:20

2014年04月12日

ずっとSTAP細胞については気になっていたんですが、未だにこの件について世間は騒いでいるようなので、ついに知的好奇心が爆発して、昨晩いろいろと調べてしまいました。笑

基本的には藤沢数希所長の記事と、Wikipediaを参考に一本の記事にまとめてみました。

せっかくなので、STAP細胞ってなーに?という疑問から、小保方さんはどんな捏造をしたのかということをアウトプットしたいと思います。



生物は宇宙のはじまりのビッグバンのように、たった一つの細胞(受精卵)が分裂して出来ます。
この最初のたった一つの細胞から、筋肉や心臓や脳や骨や髪や神経などあらゆるものが出来るのですが、これが自由に作り出せれば、怪我や病気で失った組織を取り替えることが出来るので、再生医療の分野において非常に大きな意味を持つのです。
つまり、万能細胞というのはとても簡単に言うと、受精卵のことです。
ES細胞もiPS細胞もSTAP細胞も要は万能細胞(多能性幹細胞)のことで、作られ方が違うだけなんですね。

ES細胞(胚性幹細胞)というのは、受精卵が分裂した初期の胚から作られた幹細胞のことで、これは受精卵から作られるので倫理的な問題があるということと、ES細胞を狙った組織に培養するのが難しく、細胞がガン化したり、出来たとしても実際に患者に移植するときに拒絶反応を起こすという欠点があります。
ちなみに理研の副センター長の笹井さんはこのES細胞を狙った組織に分化させる世界的な権威です。

山中教授のiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、体細胞にレトロウイルスベクターを使って特定の遺伝子を注入することで、細胞を初期化(リプログラム)して、万能細胞を作り出す事ができる技術です。
iPS細胞は受精卵を使うわけではないので、倫理的な問題もなく、また自分のDNA由来なので拒絶反応も起こさない非常に優れた多能性幹細胞です。

哺乳類などの高等生物は割りと早い段階で多能性を失ってしまうのですが、イモリはしっぽを失っても、元通りに再生します。
これはイモリの体内に幹細胞が残っているからなんですね。
人参も、適切な環境で培養すれば全く元通りの人参に復元されます
イモリや人参のように、ある刺激をトリガーにして、多能性を発現するのですが、人間の細胞でも、何らかの刺激を与えれば、同じようなことが起こりえるのではないかというアイデアがSTAP細胞(刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞)です。



さて、STAP細胞が出来たことの証明には以下の2点を証明する必要があります。


(1) STAP細胞と思われる細胞は、すでに分化してもう元には戻らないはずの体細胞が初期化(reprogram)されたものである

(2) STAP細胞と思われる細胞は、確かに多能性(pluripotency)があり、再びどんな体細胞にも分化する能力がある。


(1)はマウスの体内に幹細胞が残っている場合があるので、分化後の細胞であることを示す必要があります。ちなみに人の体内にまだ幹細胞が残っていて、それをうまいこと取り出せる技術を発見できればSTAP細胞以上の大発見です。

この(1)を示すには、T細胞を使ってSTAP細胞を作り、TCR再構成によってDNAの長さが短くなることを証明せねばなりません。
DNAの長さを調べるためにPCRという手法を使って、DNAを増幅し、電気泳動実験をする必要があります。
オボちゃんはここで実験画像を切り貼りして捏造しちゃったんですね。笑
ここを示さないとSTAP細胞なのか、元々あった幹細胞なのかを示せないのですが、ここが捏造だったしても、まだSTAP細胞が存在しているという希望は残っています。


(2)は1.Oct4-GFPの発現、2.テラトーマと3.キメラマウスを作成することによって示せます。
Oct4というのは、自己複製に関わるタンパク質のことで、iPS細胞を作る際にこのタンパク質を作り出す遺伝子(山中ファクター)を注入して初期化しており、このOct4が作られたということは確かに多能性を持ったことの必要条件の一つとなります。
このOct4の発現を確認するために必要なのが、GFP(緑色蛍光タンパク質)という遺伝子操作で、この技術によってノーベル化学賞を受賞したのが、下村脩先生です。
GFPとは、特定の細胞を緑色に発光させる遺伝子操作の技術のことで、Oct4をGFPによって緑色に蛍光させることによって、確認できます。
ただ、この緑色蛍光は死にかけの細胞や、酸による刺激によって光る場合も多く、この場合、当然ながらテラトーマもキメラマウスも作れない。
会見で200回以上成功したというのは、このことを指していたと思われる。

次に2.テラトーマというのは、要は奇形腫瘍のことです。
幹細胞を皮下に注入すると、ランダムにいろいろな組織に分化するので、そのときに奇形腫瘍が出来ます。
これが確認できれば、確かに多能性があることの大きな証明になります。
しかし、なんとオボちゃんは、このめちゃくちゃ重要なSTAP細胞の根幹に関わるテラトーマの画像を博士論文で使っていた全然違う実験の画像を使いまわしてしまいました。笑

どうやら、他のマウスのES細胞を混ぜたようなのですが、このSTAP細胞(と思われていたもの)から3.キメラマウスを作成するのが、山梨大学の若山教授の仕事でした。
このキメラマウスを作成することが出来れば多能性幹細胞の強力な証明となります。
キメラマウスというのは、胚にSTAP幹細胞(と思われていたもの)を合成して作ったマウスです。
普通はパパとママの2匹から子供が作られるのですが、そこにもう一組のカップルの幹細胞を合成して作るので、親が4匹という状態になります。
このように、脚はこの両親から、内臓は別の両親からという風に、まだら状に作られるのがキメラマウスです。
若山教授は、初めて体細胞由来のクローンES細胞を作ったりとこの世界では非常に権威のあるスター研究者です。
若山教授はオボちゃんからもらったSTAP細胞(と思われていたもの)からキメラマウスの作成に成功します。

しかし、次々と発覚する捏造疑惑に若山教授もついにキレて、第三者機関にSTAP細胞(と思われていたもの)をDNA鑑定にかけさせたら、別の種類のマウスのES細胞だったということが発覚してしまいました。笑

完全にクロです。。
若山教授がブチ切れても無理はありません。。

素人の僕でも、なるほど学者や研究者の方たちが総じて小保方さんに対して厳しい態度を取る理由が分かります。。。
でも、女性が涙流してあんな風に訴えられたら、世論は可哀想っていう風に流れてしまいますよね。。




参考記事

金融日記:いまさら人に聞けないSTAP細胞と細胞生物学の基礎 http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52004024.html
 
金融日記:謎はすべて解けた!! それでも、STAP細胞は捏造です http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52007102.html
 


    このエントリーをはてなブックマークに追加
investor46 at 20:11

2014年03月12日

おつかれかつを:新型万能細胞すごい! http://katsuo.doorblog.jp/archives/8236423.html

以前、上記のようなSTAP細胞がすごい!みたいな記事を書いたんですけど、最近逆の意味ですごいことになってきました。。

小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑: 小保方晴子の博士論文の疑惑まとめ http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_2064.html

 
どんどん疑惑が出てきますね。。
もしSTAP細胞が本当にできるなら、再生医療の分野でとんでもないイノベーションが起きて、本当にたくさんの人を救えると期待していただけにとても残念でなりません。

それにしても、博士論文なんてアメリカ国立衛生研究所のWebページのほぼもろパクリじゃないですか。。これって引用っていうレベルじゃないよね?

まあ、学生の卒論とか、そんなのだったら、Webとかウィキペディアとかでパクって来るとかよくある話だと思うんですけど、それにしたってこれは中々のパクリ具合ですね。。
科学の世界って、それがセンセーショナルなものであればあるほど、注目を集めて、論文の査読や追試を受けることになるので、絶対にバレます。
彼女はなぜそんなことをしたんですかね?
もちろん、まだはっきりクロと決まったわけではないですけど、、画像を流用したり、捏造したりしているそうなので、これはちょっとマズいことになりそうです。
メディアで大々的に報道されてしまって、今度はそれが捏造だったなんてことになったら、それこそメディアの格好の餌食です。
STAP細胞の存在自体が捏造だとして、それはとても残念ではあるんですけど、それよりいくら自業自得とはいえ、これからマスコミに追い掛け回される小保方さんの今後がちょっと心配です。。



    このエントリーをはてなブックマークに追加
investor46 at 10:22

2014年01月30日

「間違い」と言われ夜通し泣き、デート中も研究忘れず…常識破りの新型万能細胞を開発した小保方晴子さん+(1/2ページ) - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/science/news/140129/scn14012921250003-n1.htm

今朝、仕事に行く前にコーヒーを飲みながら、なんとなくテレビをつけたら、このニュースがやってたんだけど、これってマジですごい大発見だよね。
まだ、マウスでの実験段階にとどまっているそうだけど、おそらく人間の細胞でも同じことができると思うので、再生医療の分野にディープインパクトを起こしそうです。

さて、山中教授がiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞したことで、よく聞く万能細胞なんですけど、原理はとても簡単で、ようは受精卵のことなんですよ。

ぼくたちの体って、一番最初は受精卵という、たった1個の細胞から始まっているわけで、ということは筋肉も骨も内蔵も髪も爪も全部、受精卵という万能細胞から始まっているんですね。
だから、この万能細胞を自由に創りだすことができれば、それを病気や怪我で失った組織に培養させて交換することができるわけです。再生医療ってやつですね。

さて、今回この発見の何がすごいかというと、これまで万能細胞からある組織(例えば耳とか)を作ることはできるけど、ある組織から元の万能細胞に戻すことは不可能と考えられてきた。
でも、このお嬢ちゃんはその不可能を可能にしてしまいました。
不可逆変化だと思われてたものが、実は可逆変化だったわけです。
しかも、ちょっと細胞で刺激するだけで簡単にできるそうです。
まさにコロンブスの卵ってやつですね。

おそらく、これからこの技術は相当研究されるでしょうから、意外と実用化も早いかもしれませんね。

早く人間の細胞での臨床試験をパスすることを願うばかりです。



    このエントリーをはてなブックマークに追加
investor46 at 17:14

2012年05月05日

ike_120501mondai01



40−32÷2=?
小学生「4!」
文系「やっぱわかんないか〜w」
理系「よくわかってんじゃん」

という問題が先日話題になって面白かったので、備忘録がてらメモ。

普通に考えたら答えは24なんだけど、気づくとなるほど!とニヤニヤできます。笑

高校生のときに数学で習ったことを思い出してみよう♪笑

文系の人も高校で習ってるはず。



ike_120501mondai02



参考記事
「40-32÷2=?」この問題、解けますか? - ねとらぼ  


    このエントリーをはてなブックマークに追加
investor46 at 12:14
スキャンマン株式会社代表取締役の杉本勝男と申します。 当サイトへお越し下さりありがとうございます。 コメント、トラックバック歓迎です。 なお、当サイトはリンクフリーです。 twitterもやっていますので、よろしければフォローお願いします。
メッセージ

名前
メール
本文
記事検索
  • ライブドアブログ