2014年05月06日
臆病者のための裁判入門
橘玲先生の裁判入門の本。
ずば抜けた調査力と分かりやすい文章力と、構成力で面白く読ませてくれる。
これは当然僕も初めて知ったんですけど、民事訴訟って、簡易裁判と地方裁判で200万件ほどあって、地方裁判でも3割しか両方に弁護士がつかず、簡易裁判になると双方に弁護士がつくのは3%に満たないそうです。
60万円以下の少額訴訟ともなると90%が双方とも本人訴訟になるので、裁判員制度が注目されたけど、それより遥かに民事訴訟の当事者になる確率が高そうです。
橘玲先生は普通の人よりも遥かに法律に詳しいかと思うんですけど、法律の専門家でも、専門的な教育を受けたわけではないのに、なぜ法律の本を書くことになったかというと、まず第三者の民事訴訟の代理人として民事訴訟の経験を得られたことと、少額訴訟の場合、弁護士の先生からすれば着手金も出ないので、それを相手にしてくれる弁護士がほとんどいないことや、専門書もほとんどないという、少額民事訴訟のブラックホール気づいたからだそうです。
おそらく、人生においては、自分とは何の関係もない、裁判員制度の刑事事件よりも、自分と直接関係のある民事裁判に備えて、知識武装しておいて損はないかと思います。
法テラスとか、いろいろな法律相談所があるので、トラブルに巻き込まれたときにどういったところに相談に行くべきかとか、裁判の流れの全体像をざっくりと把握しておくには最適な本だと思います。