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2009年11月12日

お金という神様 ~貨幣経済と世界宗教~

ああ、金、金!この金のためにどれほど多くの悲しいことがこの世に起こることであろうか!

トルストイ



お金と神様はよく似ている。


お金が価値を持つのはなぜだろう?


1万円札が価値を持つのは、福沢諭吉の肖像画が描かれているからでも、特殊なインクが使われているからでもない。

ただの紙切れに価値があるのは、誰もがそれに1万円の価値があると信じて疑わないからだ。

誰も信じなくなれば、ただの紙切れと一緒だ。

ただの紙切れに価値があるというのはたんなる幻想過ぎない。

どうせ幻想なのだから、別にお金はその辺に落ちている石ころでも貝殻でも構わない。

今やお金は1万円札などの現金だけではなく、預金通帳に記された、たんなるデジタルデータにすら価値があると信じられている。


大事なのは実体のないものに価値があると認める信仰心だ。


貨幣経済とは、貨幣を神と崇める宗教である。


神の姿をこの目で見ることができないのと同様に、お金の実在を客観的に証明することもできない。


理屈の上では、1万円札は日本国の資産を担保に発行されている。

かつて、お金の担保として中央銀行は金(ゴールド)を保有していたが、現在では日本国債を担保にお金を発行している。

国債というのは国家の借用証書で、それを持っていくとお金と交換してくれる。


お金は国債によって担保され、国債はお金によって担保されている。


これは新興宗教の教祖が、

「私が神であることは、神である私が知っている。」

と言うことと同じ理屈だ。


なんの根拠もないが、信じるのはその人の勝手だ。


シェイクスピアは、

「お金とは眼に見える神である」

と言った。


お金を神とするならば、貨幣経済は唯一の世界宗教だ。


世界には国ごとに異なる”神”がいるが、その神々は一定の比率で交換可能である。


キリスト教徒も、イスラム教徒も、仏教徒も、お金を神と崇める世界宗教から自由になることはできない。

僕たちがこの世で生きていくためには、好むと好まざるとにかかわらず、この奇妙な宗教の信者になるほかない。

日本人が日本国を信用しなくなると、日本円という貨幣の価値が低下する。


日本の”神”を、海外のもっと魅力的な”神”と交換したいと考えるからだ。


人が

「紙切れはしょせん紙切れに過ぎない。」

と気づいた時に、貨幣制度は崩壊する。


幻想が剥がれてしまえば、1万円札もただの紙切れと変わらない。


貨幣制度は共同幻想によって支えられている。


お金にとらわれるのは、夢や幻にとらわれるのと同じだ。


ヒトが一匹の動物として生まれ、成長し、老い、死んでいく自然を前にして、貨幣の多寡に何ほどの意味もない。

だがその一方で、僕たちの人生が夢や幻によってつくられていることも否定できない。


なぜなら人は幻想から現実を創造する生き物だからだ。


貨幣経済のもとでは、お金という幻想を拒絶して生きていくことはできない。


社会や世界は幻想でしかないが、僕たちはその中でしか生きられない。


人々はお金で貴いものは買えないという。
そういう決り文句こそ、貧乏を経験したことのない何よりの証拠だ。

ギッシング


参考文献
得する生活―お金持ちになる人の考え方
得する生活―お金持ちになる人の考え方
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investor46 at 20:23金融日記 
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