2010年06月16日
どうして、牛さんと豚さんはあんなにたくさん殺されなきゃならないの?
皆さん、お久しぶりです。
どうも、かつをです。
さて、今日のテーマは若干今更感がありますが、口蹄疫(FMD Foot-and-Mouth disease)についてです。
正直、日常生活にあまり大きな影響はなさそうなので、そんなに関心なかったんだけど、僕の見ているブログやらツイッターのTLに口蹄疫問題についての情報が流れてくるので、段々関心が出てきたので、頭の整理がてら一エントリ書いてみることにしました。笑
では、まずはそもそも口蹄疫ってどういう病気なのかっていうのを見てみましょう。
口蹄疫という名前の由来は、口の中や蹄の付け根などの部分に水疱が出来るところから来ています。
「疫」というのは疫病、すなわちうつる病気だということで、症状としてはよだれが出て元気がなくなる等の症状があり、人間で言えば、手足口病のような症状だそうです。
感染力と致死率という点では麻疹に近いようです。
特徴としては、感染力が強く、罹った動物は肉質が落ちて乳の出が悪くなるなどの理由で、経済価値が下がることが大きな問題です。
成体では死に至ることは少ない(5%以下)けど、幼体だと半数が死亡するという報告もあります。
大体、1,2週間程度で治るそうです。
ただ、治療法はなく、ワクチンはあるけど、打ったとしても100%予防出来るわけではないようです。
ちなみに口蹄疫は牛や豚や羊などの蹄が2つ以上に割れている動物にしか罹らないということだから、口蹄疫でダービーが中止になるなんてことはないんだね。
競馬ファンや馬刺し好きの人、良かったですね♪
次に人間への影響だけど、人間が感染することは極めて稀で、口蹄疫に罹った肉を食べても感染することはないそうです。
さて、ここで疑問に思うことがある。
人にはうつらないし、食べても安全。100%の効果がないとはいえワクチンがあるのにも関わらず、どうして全部殺しちゃうんだろう?
人間でいえば、麻疹にかかっただけで、うつるからという理由でその地域にいる人全員殺されるようなものだ。
コスト的にも殺処分して埋却するよりもワクチンを打った方が断然安いのに・・・。
実はこれには大人の事情が関係してるんだ。
口蹄疫のような伝染病のない国を清浄国、逆を汚染国というんだけど、「清浄国」なら、「清浄国」に対して食肉を輸出できるばかりか、「汚染国」からの食肉輸入を禁止できるからなんだ。
輸出入の差額から考えれば、明らかに、後者の方が金額が大きい。
ところが、報道では「和牛の輸出ができなくなる」という話ばかりだ。
で、なんでワクチンを打たないかなんだけど、口蹄疫清浄国の定義は口蹄疫が発生していないだけでなく、ワクチンを接種された個体がすべていなくなった後、3ヶ月間病気の発生がなかったこととある。
ワクチンを打っちゃうと、それが感染による抗体なのかワクチン接種による抗体なのか区別出来ないからで、そうすると清浄国に戻るのに、ものすごい手間と時間が掛かるんだ。
だから、感染の拡大を防ぐために一時的にワクチンを打った牛や豚まで一頭残らず殺すんだね。
結局のところ、汚染国からの輸入を禁止したいという非関税障壁を維持したいがためにワクチンを使わず、牛や豚を皆殺しにしてるってことだね。
で、何で汚染国から食肉を輸入したくないかだけど、国民に安全な食肉を提供するということは建前で、本音は外国から安い肉を輸入して国産の肉の価格が下がるのが嫌だからだ。
こうした畜産業者の思惑とそれに結託した、自民党政権時代の農林水産行政当局による、非関税障壁の維持という大人のエゴによって、大量の牛や豚が殺処分されている。
口蹄疫問題の本当の被害者は、国から補助金の出る畜産農家ではなく、その税金の負担をする国民と、非関税障壁によって市場経済が阻害され、適正な価格で肉を購入出来ない僕たち消費者、そして人間のエゴによって無意味に殺される牛や豚たちなんだ。
参考資料
口蹄疫のこと|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Amebahttp://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10543604093.html
口蹄疫殺処分は、食肉輸入の非関税障壁を維持することが目的である 井上晃宏(医師) : アゴラ http://agora-web.jp/archives/1023695.html
木村盛世のメディカル・ジオポリティクス カフェ: 口蹄疫問題を考える―危機管理の立場から―vol.1http://kimuramoriyo.blogspot.com/2010/05/no.html
どうも、かつをです。
さて、今日のテーマは若干今更感がありますが、口蹄疫(FMD Foot-and-Mouth disease)についてです。
正直、日常生活にあまり大きな影響はなさそうなので、そんなに関心なかったんだけど、僕の見ているブログやらツイッターのTLに口蹄疫問題についての情報が流れてくるので、段々関心が出てきたので、頭の整理がてら一エントリ書いてみることにしました。笑
では、まずはそもそも口蹄疫ってどういう病気なのかっていうのを見てみましょう。
口蹄疫という名前の由来は、口の中や蹄の付け根などの部分に水疱が出来るところから来ています。
「疫」というのは疫病、すなわちうつる病気だということで、症状としてはよだれが出て元気がなくなる等の症状があり、人間で言えば、手足口病のような症状だそうです。
感染力と致死率という点では麻疹に近いようです。
特徴としては、感染力が強く、罹った動物は肉質が落ちて乳の出が悪くなるなどの理由で、経済価値が下がることが大きな問題です。
成体では死に至ることは少ない(5%以下)けど、幼体だと半数が死亡するという報告もあります。
大体、1,2週間程度で治るそうです。
ただ、治療法はなく、ワクチンはあるけど、打ったとしても100%予防出来るわけではないようです。
ちなみに口蹄疫は牛や豚や羊などの蹄が2つ以上に割れている動物にしか罹らないということだから、口蹄疫でダービーが中止になるなんてことはないんだね。
競馬ファンや馬刺し好きの人、良かったですね♪
次に人間への影響だけど、人間が感染することは極めて稀で、口蹄疫に罹った肉を食べても感染することはないそうです。
さて、ここで疑問に思うことがある。
人にはうつらないし、食べても安全。100%の効果がないとはいえワクチンがあるのにも関わらず、どうして全部殺しちゃうんだろう?
人間でいえば、麻疹にかかっただけで、うつるからという理由でその地域にいる人全員殺されるようなものだ。
コスト的にも殺処分して埋却するよりもワクチンを打った方が断然安いのに・・・。
実はこれには大人の事情が関係してるんだ。
口蹄疫のような伝染病のない国を清浄国、逆を汚染国というんだけど、「清浄国」なら、「清浄国」に対して食肉を輸出できるばかりか、「汚染国」からの食肉輸入を禁止できるからなんだ。
輸出入の差額から考えれば、明らかに、後者の方が金額が大きい。
ところが、報道では「和牛の輸出ができなくなる」という話ばかりだ。
で、なんでワクチンを打たないかなんだけど、口蹄疫清浄国の定義は口蹄疫が発生していないだけでなく、ワクチンを接種された個体がすべていなくなった後、3ヶ月間病気の発生がなかったこととある。
ワクチンを打っちゃうと、それが感染による抗体なのかワクチン接種による抗体なのか区別出来ないからで、そうすると清浄国に戻るのに、ものすごい手間と時間が掛かるんだ。
だから、感染の拡大を防ぐために一時的にワクチンを打った牛や豚まで一頭残らず殺すんだね。
結局のところ、汚染国からの輸入を禁止したいという非関税障壁を維持したいがためにワクチンを使わず、牛や豚を皆殺しにしてるってことだね。
で、何で汚染国から食肉を輸入したくないかだけど、国民に安全な食肉を提供するということは建前で、本音は外国から安い肉を輸入して国産の肉の価格が下がるのが嫌だからだ。
こうした畜産業者の思惑とそれに結託した、自民党政権時代の農林水産行政当局による、非関税障壁の維持という大人のエゴによって、大量の牛や豚が殺処分されている。
口蹄疫問題の本当の被害者は、国から補助金の出る畜産農家ではなく、その税金の負担をする国民と、非関税障壁によって市場経済が阻害され、適正な価格で肉を購入出来ない僕たち消費者、そして人間のエゴによって無意味に殺される牛や豚たちなんだ。
参考資料
口蹄疫のこと|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Amebahttp://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10543604093.html
口蹄疫殺処分は、食肉輸入の非関税障壁を維持することが目的である 井上晃宏(医師) : アゴラ http://agora-web.jp/archives/1023695.html
木村盛世のメディカル・ジオポリティクス カフェ: 口蹄疫問題を考える―危機管理の立場から―vol.1http://kimuramoriyo.blogspot.com/2010/05/no.html